聴く③
今日はちょっと話しすぎたかな、と思うことはあっても、今日はちょっと聴きすぎたかな、ということはありません。
子供の行動を観察しているとわかりますが、『ママ、聞いて』『今日学校でね』『ねぇ、聞いてる?』と自分の主張が多かったりします。
大人でもこのように自分の話だけを一方的にしている人をよく見かけます。
聴き役に回ったかと思いきや『えー、でもさー』『いや、それは違うよ』とすぐに自分の主張をし始める人もいるはずです。
これは、相手が話している最中に、自分の意見と照らし合わせながら聴いているのです。
つまり耳では聴いてますが、脳(こころ)では聴いてないということ。
また、人は自分の聴いてほしい話の内容を、質問という形で相手になげかける傾向があります。
『最近いいことあった?』と相手に聴く場合は純粋に相手の話を聴きたいというよりも、自分の最近の出来事について聴いてほしいという気持ちがあったりします。
人の話を『聴く』ということは簡単なことではありません。優れた人格や克己心、そして経験が必要です。
聴くということは、悩みを解決したり、解決策を提示することではなく、相手の心に寄り添うことなのです。