姿勢
京都山科ボディメイクスタジオLIFEGROWパーソナルトレーナーの吉田です。
『まるでゾンビが歩いているような光景だ』
というのも、あまりに姿勢が悪い人が多いからです。私も職業柄、無意識レベルで人の姿勢を観察してしまいますが、街を歩いていて姿勢が良い人を見かけることは、ほとんどないですね。
ゾンビとまでは言いませんが、正直『老けて見えるな』とは感じます。
背中は丸まり、顔は前に突き出て、膝は折れ、お尻は垂れ下がっている。まだ年齢的には若いにも関わらず、姿勢が悪い故に、どこか弱々しく、年老いて見えるのです。
姿勢が悪くなる原因は多くありますが、私は主に『長時間のデスクワークとスマホ』あと『そもそも“姿勢”という概念がない』という点です。
デスクワークとスマホに関しては説明不要でしょう。それらに向き合ってる時、すでに悪い姿勢になっていることはもちろんですが、同じ姿勢で一つのことを続けていると、やがて筋肉は凝り固まります。筋肉が凝り固まると、その姿勢が形状記憶されるので、いざ正しい姿勢をつくろうとしても、逆に疲れます。
ラクをしたいのが人間の性(さが)ですから、本来は悪い姿勢のはずの姿勢がラクに感じてしまい、その姿勢が定着してしまうという流れです。
また、日本人の平均的なスマホの使用時間は2~3時間と言われています。個人差はあるでしょうが、それでもスマホとの距離感が近くなっているのは事実です。
デスクワークから解放されるや否や、今度はスマホに触れる時間がプラスされるので、1日のほとんどの時間を前屈みの姿勢で過ごしていると言えます。
そして、姿勢という概念がないことが挙げられます。
例えば、あなたは道を歩いてるとき、なにを意識してるでしょうか。
美味しそうなカフェを探したり、車の行き来に注意を払ったり、人のファッションを観察したり、目的地についてからの行動を考えたり、様々でしょう。
ただ、あなたの『内的な部分』はどうですか。内的な部分には、髪型やメイク、ファッションなど色々なものがありますが、ここでは『姿勢』のことです。普段、姿勢を意識してる人はそこまでいないのではないでしょうか。
モデルさんが常日頃から姿勢を気をつけているように、アスリートが接地感覚を鈍らせないように足元に注意を払っているように、普段の【意識レベル】あるいは【意識の置き所】の違いが大きいと私は考えています。
駅の階段一つとってもそうでしょう。日頃運動していない人にとっては大変な運動ではありますが、運動習慣のある人にとっては【今の体のコンディションを図るためのチェックツール】でもあるんです。
今日は息が上がるな、接地感覚は悪くないな、ふくらはぎが疲れるな、ちゃんとお尻に効いてるな、など階段をのぼる行為一つとっても、意識の差に圧倒的な違いがあるんです。
トレーニングはせいぜい1時間くらいですから、そこで綺麗な姿勢を作ろうとしても、たかが知れているのです。
本当に大切なのは【ジム以外の時間でどう過ごすか】だからです。
私の信条の一つに【最高のトレーナーはあなた自身である】があります。
つまり、本当の意味であなたの体に変化を起こさせるのは『あなた自身だけ』であるということ。
トレーナーというのはあくまでキッカケを与えるだけの存在なので、あなたの体はあなたが育てていかなければならないからです。
『私があなたにできるのはここまで。後はあなたが自分自身を育てていかなければならない』というように、明確な線引きをしています。そうでないとトレーナーに依存的になり『トレーナーありきの体』になってしまうからです。
正しい姿勢なんて言うと、小難しく聞こえるかもですが、私が意識しているのは【背筋を伸ばして、腹をやや締める】たったこれだけです。
腹をやや締める理由は、背筋を伸ばすだけだと腹の力が抜けてしまうから。体の中枢は腹にあると考えていますから。
あとは、良い姿勢を取り続けないことです。矛盾するような考えですが、良い姿勢を取り続けることも、同じ筋肉を長時間使い続けるようなものですので、体への負担となります。
よく『ちょっと気を抜くと猫背になっちゃうんですよね』という人がいますが、それもそれで正解だということです。24時間フル稼働なんてあり得ませんから。
『自宅では姿勢を崩す』『外を歩く時は姿勢を正す』という具合に、あなたの中で意識に変化を加えて下さい。