トレーニングしている人は本当にマゾなのか?
京都山科ボディメイクスタジオLIFEGROWパーソナルトレーナーの吉田仁です。
【ドMですね】
トレーニングに打ち込んでる人なら必ず1度は言われる言葉です。
私は、この考えに対して明確な答えを持っています。
マゾヒストとは、痛みを感じることが目的であり、痛みを感じることが好きな人のことです。
そう考えると、少しおかしなことに気付くはず。トレーニングをしている人は、痛みを感じるためにトレーニングをしてるわけではありません。ランニングをしている人は、苦しい想いをしたくてランニングをしてるわけではありません。山登りをしている人は、ツラい想いをしたいから山登りをしてるわけではありません。
決して、痛みを感じたり苦しい想いをしたりするために、その行為を行ってるわけではないということです。
- 『トレーニングが好き=ドM』といった『そんな短絡的な話ではありません』
普通の人と同じように、痛いのは嫌だし、できれば苦しい思いなどしたくはないわけです。
そもそも『頑張る』という行為と『性癖』をリンクさせて考えることに違和感を感じます。
じゃ、なんでそこまでして頑張るの?と言われれば、やはり『その先にある世界を知りたいから』です。
スポーツ心理学の土台を築いたブルース・オギルビー博士はこう言います。
〔マゾヒストとは自虐的行為のことである。ランニングをこのようなネガティブな言葉でとらえることはできない。
ランナーは、自分の体を限界まで試すことが好きな人たちで、自分の能力を最大限に発揮しなければ気がすまない人たちなんだ。当然、そうするなかで苦痛を感じるだろう。しかし、ランナーは苦痛を感じたくて走るのではない。
自分の力を出し切った時ほど爽快な気分にしてくれることは、人生の中でも、それほど経験できるわけではない。でも、こんな気持ちは、経験したことのない人には分からないものだ。〕
オギルビー博士の考えに則れば、トレーニングをする人は自分の体を限界まで試すのが好きな人たち、ということになります。私も同意ですね。
- 基本的に、〝人は成長することに喜びを感じる生き物〟です。
- トレーニングなら先月より3㌔痩せた。
- ランニングなら先月より2㌔長く走れた。
- 登山なら先月より300m高い山に登れた。
など、人は自分が成長することに喜びを感じます。これはスポーツに限らず、趣味や仕事だって同じことが言えるはずです。
当然、成長するにはその時々の自分の限界に挑まなければなりません。ラクをしてもそこに成長はありません。その先にある世界を見るために成長する必要があって、成長するために苦痛を感じなければならないのです。
だから、マゾと誤解される人は、決して苦痛を感じることが好きな人ではありません。
誰よりも自分の成長に関心が強く、物事に対しての好奇心も強い。そして、誰よりも目標に対して誠実で、生きることに貪欲な人なのだと思います。