EMSは効果的?
京都山科ボディメイクスタジオLIFEGROWパーソナルトレーナーの吉田仁です。
EMS(電気刺激によって筋肉に刺激を与える器具)は効くんですか?と質問を受けるのでお答えしたいと思います。
結論から言うと、ほぼ効果がないと言えるでしょう。
- EMSとは太くて奇妙なベルトを巻き、電源を、入れると微弱な電流が流れ出す「たった5分で腹筋運動1000回分!」と謳ってる商品です。
EMSの意図は、本人の意思とは無関係に筋肉を刺激し、運動をしなくてもラクに筋肉を成長させることです。
まぁ、最大のメリットを言うなら、わざわざ高い会費を払ってジムへ行き、マシンを扱い汗を流して筋トレしなくても、自宅やサロンで寝ながらラクしてトレーニング効果が出せるという点ですかね。
しかし、世の中そんなうまく出来てないのが現実です。色々切り口はありますが、常識を働かせて簡単に考えてみましょう。
まず腹筋運動でたった数分で何千何万回もいったら、その後、丸一日は立ち上がれない程に疲弊しているはず。笑ったりくしゃみしたり、呼吸するのでさえもツラくなるはずですよ。
仮に百歩譲って、腹筋を何千何万回出来たとしましょう。しかし、それは「1回あたりの腹筋への負荷が、ものすごく弱い」ということを意味してます。
- 筋肉を成長させるには条件がいくつかあり、その内の一つに、以前のブログで話しましたが、「オーバーロード(過負荷)の原則」というのがあります。これは「ある程度、高い負荷を与え続けないと筋肉は成長しませんよ」というものです。女性も男性もです。
- つまり、EMSによる弱い刺激を寝転がりながら何分も与え続けてても、筋肉に成長は起こらないということを示してます。
仮にEMSで筋肉が成長したとしても「以前よりも高い負荷をかけなければ筋肉は成長しない」のでやはり限界がありますね。
筋トレをしてる人が、週ごと、月ごとに重りをどんどん増やしていくのはそのためです。
EMSに著しい効果があるならば、フィットネス用品の市場は圧迫され、ジムなど軒並み潰れているんではないでしょうか。
EMSが効果を発揮するのは、リハビリの現場や極端に筋肉が弱ってる方を対象とした場合であり、健常者が使ったところで望むような効果は得られないのが現実だと思います。
そして重要な点がもう一つあります。
筋肉は「脳」からの指令で働きますので、電気刺激などで無意識に鍛えた筋肉は、いわゆる「使えない筋肉」とも言えますね。
使えない筋肉は後々使えるようにするために「脳」を使う必要があるんで、どうしても「運動」という手段が必要になります。
どこの筋肉を引き締めたいにしても、高いお金を払って寝そべった状態でEMSを何分も受けてるよりも、自宅で5分集中してしっかり腹筋運動やスクワットをした方が、遙かに効果が高いです。しかもコストはゼロですしね。
これからも、ダイエット市場はますます拡大していくことが予想されるので、消費者側(指導者含む)はいかに「ラクして痩せることが出来る」という甘い蜜に誘われない判断力と、本質的なことからブレないようにする見識が必要になってくる時代ではないかと感じています。
少しでも参考になれば幸いです。